ところで、そんな「崖っぷち」のドルからすると、まさに今週−来週の動きは要注意だろう。なぜなら、例年12月前半は乱高下が起こりやすく、とくに12月第2週は昨年ドルが急反落となった、いわゆる「魔の12月第2週」だからだ。
過去5年連続で、12月第1ないし第2週のどちらかで週足実体部(週初寄り付きと週末引け値の差)2円以上の大幅な陰線(ドル安)ないし陽線(ドル高)を記録していた。
FX取引、FX初心者、くりっく365、FX口座開設、FX資料請求 とくに、昨年の12月第2週は実体部5円以上のドル大陰線。ドル急反落を記憶している人も少なくないだろう。
さて、今週は115.44円で寄り付いている。このため、昨日こそドル115円割れの急落となったが、かりに今週末114円以上で終わるなら週足実体部は2円を大きく下回ることになる。すでに先週(12月第1週)2円近い実体部のドル陰線となっていることから今週は限られるか、そうでなければもう一波乱も警戒する必要がありそうだ。米早期利下げ思惑が再浮上している。ただもちろん、12月12日に予定されている次の金融政策会合、FOMCでの緊急利下げという可能性ではないだろう。まずは、FOMCからインフレリスクへの警戒発言が消えるかが焦点だ。1日発表の米11月ISM製造業景況指数が、好景気と不景気の境目である50を割り込んだことで、米早期利下げ観測が一段と拡大、米金利低下・ドル急落となった。ただし、早期利下げ観測といっても、このISM指数発表前から、FF先物が示す金利史上の織り込み度は、来年3月の利下げの可能性を8割程度まで織り込んでいた。それがISMの結果を受けて、いよいよ100%織り込みになったということだ。FX
ただし、来年3月利下げがほぼ完全に織り込まれたからといって、私にいわせればまだ重要な前提条件をクリアーしたということではない。キーワードはインフレ懸念だろう。
私はそもそも「FRB豹変」リスクをこの間何度か指摘してきた。FRBはインフレ懸念を警告しているが、ある日を境に一気に利下げまい進に「豹変」するということだ。
たとえば、過去3回の利下げシリーズ開始は、いずれも利下げ開始の2回前のFOMCまでじつはインフレ懸念を表明していた。ところが、そのインフレ懸念が消えるとその次の会合では早速利下げ決定となってきたのである。
こういったことから、上述のようにキーワードはインフレ懸念となる。前回FOMCまで、インフレ懸念は繰り返されてきた。その意味では今回12月FOMCでの利下げはありえない。それどころか、最近のFRB関係者の発言から推して、12月会合でもインフレ懸念は残る可能性がなお高そうだ。
その意味では、インフレ懸念が消えるのは早くて次の次のFOMC、つまり来年1月末・2月初めの会合だろう。かりにそうなら、利下げは、その次の会合だから、やはり来年3月ということになるわけだ。ところで、11月が終わったが、ドル円値幅は3.2円で、4ヶ月連続4円未満の値幅となった。これまでも何度か書いてきたが、2000年以降の小動き最長記録は、2003年10月−2004年1月の値幅4円未満4ヶ月連続。つまり今回はついにそんな2000年以降の小動き最長記録と肩を並べたのである。
2003年10月−2004年1月は、2003年1月−2004年3月まで15ヶ月で35兆円にも達した空前絶後の巨額為替介入が展開した途中だった。つまり一種の管理相場の中で小動きを余儀なくされたということだろう。
そんな管理相場の局面に肩を並べるぐらいの小動きになっているわけだから、今回がいかに異常な小動きかということがわかるだろう。それにしても、管理相場の中でも値幅4円未満の連続は4ヶ月で途切れたわけだ。その意味では、今回も4円未満の値幅が12月にかけて5ヶ月連続となる可能性は本来なら低いということになるだろう。
そもそも12月は、結構動く月だ。2000年以降の12月値幅平均は5.79円で、12ヶ月の中では3月に次いで2番目の大幅だ。つまり「1年で2番目に動く月」が12月だから、その意味でもいよいよ7月以来5ヶ月ぶりの4円以上に値幅拡大する可能性は期待される。 ドル安が拡大している。とくにユーロドルは要注意だろう。ユーロは年末にかけて大きく上がりやすい傾向があるからだ。ユーロが誕生したのは99年。以来、2005年までの7年間について調べたところ、12月のユーロは対ドルで5回陽線(ユーロ高)だった。11月も、陽線4回、陰線3回で陽線が上回っていた。つまり、ユーロは年末にかけて上がりやすい傾向があるわけだ。FX
とくに「12月ユーロ高」の傾向は明確だ。12月のユーロ陽線実体部(寄り付きと引け値の差)は平均で433ポイント、これに対して陰線実体部の平均は36ポイント。つまり12月は大幅なユーロ高となりやすく、低い確率でユーロ安になってもそれはあくまで小幅にとどまりやすいということだ。
ユーロは対ドルで先週から年初来高値更新となってきたが、以上見てきたようにそれはユーロ高が走りやすい局面での動きだったということだ。このように考えると、年末にかけて一段とユーロ高・ドル安が広がっていく可能性は要注意だろう。
ちなみに、過去7年間で、11−12月と2ヶ月連続ユーロ高となったのは4回あったが、そのユーロ続伸幅(11月寄り付きと12月末引け値の差)の平均は820ポイントだった。今年の11月ユーロ寄り月は1.2765ドル。これに820ポイントを足すと1.35ドルを超えるという計算になる。
ユーロの対ドル史上最高値は2004年暮れに記録した1.3670ドルだが、この年末にかけて一気に史上最高値更新含みに拡大していく可能性すらじつはありそうなのである。実際に、ユーロ高・ドル安になるとして、では円はどう動くか。ユーロ高についていくなら円安に、ドル安についていくなら円高ということになるわけだが。
まず最近の動きが「ユーロ高」なのかという点が懐疑的だ。通貨の総合力を示す実効相場を見ると、ユーロはこの間10月28日を底値に上昇、最大上昇率は1.6%だ。これに対して米ドルは、10月13日を天井に下落、最大下落率は3.2%。これを見る限り、この1ヵ月半ほどドル安が拡大し、その中でユーロも上がり始めたということではないのか。
このように、「ユーロ高」なのか「ドル安」なのかにこだわるのは、それによってユーロ円を中心としたクロス円の行方は変わってくる可能性があるからだ。「ユーロ高」なら、ドル安・円高になってもクロス円は円安傾向が続く可能性があるだろうが、しかし「ドル安」なら、クロス円も気になるところではある。
ちなみに、ユーロ円、ポンド円とも、物価で計算した適正水準である購買力平価からすると、現在はそれぞれ130円、200円程度だ。したがって現状は、それをユーロは17−18%、ポンドも13−14%程度上ぶれた形となっている。
1990年以降で見ると、購買力平価をユーロ、ポンドが上ぶれた動きは一時的に終わってきた。最大の上ぶれ率は、ともに1998年夏で、ユーロが5%程度、ポンドは15%程度だった。つまり最近のユーロ上ぶれは、それを大きく越える動きとなり、ポンドも過去最大の上ぶれに肩を並べつつあるわけだ。FX
ところで、98年夏の購買力平価を上ぶれたユーロ、ポンドの動きは、98年10月の1ヶ月で一気に修正された。ユーロ、ポンドとも対円で一気に15%前後も急落、購買力平価以下に下落したのである。このきっかけは、この時のドル円急落だった。「ドル安」が本格化すると、やはりクロス円でも円高リスクは要注意だろう。米利下げ予想が再浮上してきた。FF先物が示す金利市場の利下げ織り込み度は、来年3月の利下げについて3割以上に上昇してきた。さて、実際に来年3月利下げとなるかといえば、鍵は「FRBの豹変」があるかではないかと思っている。 「FRBの豹変」、それは前回の利下げ局面が始まる前にはあったものだ。前回の利下げシリーズは、2001年1月にスタートした。ところが、その直前、2000年11月までFRBはインフレ警戒態勢を続けていたのである。それが景気の急悪化により、わずか2ヶ月程度で利下げへ急転換となったのである。
これを教訓にすれば、今回も11月現在でFRBがインフレ警戒姿勢をとっていたからといって、ここから豹変、年明け1月には緊急利下げといったことも、じつは決してありえない話ではないということになるだろう。ましてや、来年3月利下げとなると、十分可能性があるだろう。
そもそも、FRBの利上げから利下げへの転換は早いということを、これまで何度か指摘してきた。たとえばグリーンスパンFRB議長時代のおもな政策転換は3回あったが、89年5月からの利下げは、その前の利上げからたったの3ヶ月後、95年7月からの利下げは5ヶ月後、そして2001年1月からの利下げは7ヶ月後だった。
今回は今年6月がこれまでのところ最後の利上げ。来年1月は、利上げから7ヶ月目になる。これまでの経験則からすると、来年1月に利下げを見送れば、グリーンスパン時代にはなかった遅い政策転換ということになる。別な言い方をすれば、いつ利下げがおこなわれても経験則的にはまったくおかしくない段階に入るということだ。
以上のように、私は「来年3月利下げ」の可能性がさらに高まるかの鍵は、「FRBの豹変」の有無だと思っている。ただし実際に「豹変」するということではないだろう。「豹変」の前には、景気の悪化があり、そしてそれを先取りする形で株価の下落があるだろう。それらを見極めてからということにはなる。
ヘッジファンドなどの売買動向を示すシカゴIMM統計によると、ユーロ買いと原油価格(WTI)には高い相関性があった。ユーロ高で中東諸国などからユーロ買いが増える、その結果ユーロが上がるから、投機のユーロ買いも増えるといった構図だったのではないか。FX
ところが、そんなユーロ買いと原油価格の相関性が最近大きくずれている。原油価格の急落からすると、IMMユーロ買いは4万枚を下回っている可能性があるのに対し、実際には逆で、ユーロ買いは11月7日現在で9万枚超と、今年の最大規模になっている。普通に考えたら、ユーロがかなり「買われ過ぎ」になっている懸念があるわけだ。
原油高でのユーロ高は、中東マネーなど実需に支えられた側面もあっただろうが、原油急落の中では、ユーロ高がかなり投機への依存度が高くなっている懸念がありそうだ。
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